CPLフィルターの使い方
2020.03.10
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1)CPLフィルターの使い方
前枠(回転枠)を左右どちらかに回転させるとPL効果が確認出来ます。
CPLフィルターは装着しただけでは効果はでません。ご注意ください!
思ったような色彩コントラストが得られない場合は少し撮影位置を変えて再びチャレンジしてください。
2)フィルターの効果を確認する
まずは身の回りのものをCPLフィルター越しに覗いてみましょう!
CPLフィルター越しに覗いても効果は確認できます。
物が載っているガラステーブルや表面に光沢のある家具を斜め上から覗いて前枠(回転枠)を回転させてみましょう。
3)全てカメラにお任せのシーンモードでも撮影可能
青空のコントラストを高めたい時は順光が効果的です。
特に虹の撮影にはCPLフィルターが効果的です。虹にカメラを向けて回転させると虹の色がよりはっきりと引き立ちます。
水面などの反射光を除去したい時は水面に対して30°~40°での撮影が一番効果的です。ストロボ発光をOFFにしましょう。
4)本格的に撮影したい時は絞り優先オート(A/AVモード)
A/AVモードとは絞りを自分で設定してボケ具合を調整できるモードで、風景写真ではよく使われているモードです。
5)絞り優先オート(A/AVモード)の初期設定
- ISOを「100」or「200」に設定しましょう。
- ホワイトバランス(WB)を「太陽光」か「オート」に設定しましょう。
- ご自身のイメージに合わせて、適宜露出を補正しましょう。
- 絞り値の数値をまずは「F8.0」からスタートしてみましょう。
「背景をボカしたい時はF5.6やF4…」と絞り値の数字を小さく、「背景をくっきり見せたい時はF11やF16…」と絞り値の数字を大きくして絞り値を調整して仕上がりを確認しましょう。
6)CPLフィルターで効果が得られる理由
CPLフィルターに使われている偏光膜が、自然界に存在する様々な方向に向いた光をカットすることで、色彩コントラストを調整します。
CPLフィルターは2枚のガラスの間に「偏光膜」というスリット構造をした膜が挟み込まれています。前枠(回転枠)を回す事でカットする光の方向を調整し、色彩のコントラストを高めたり、不要な反射光を取り除きます。
7)PLとCPLの違い
「PL」は1980年代以前のAF(オートフォーカス)機能のないカメラに使うフィルターで、現代のAF機能が一般的なカメラに使えるようにしたフィルターが「CPL(サーキュラーPL)」です。
PLフィルターをデジタル一眼で使用すると、ハーフミラーやローパスフィルターとPLの偏光膜が干渉してしまい「露出」や「AF機能」に誤差が生じるため、デジタル一眼には「CPL(サーキュラーPL)」をご使用下さい。
8)CPLフィルターの長期使用と経年劣化
CPLフィルターは熱や紫外線に弱いため、どうしても経年劣化が起こってしまいます。
- 劣化したCPLフィルター
- 新品のCPLフィルター
CPLフィルターに使われている偏光膜は熱や紫外線に弱いため、長く使っていると徐々に劣化し始め変色してしまいます。撮影する頻度にもよりますが、多用される方ですと3~4年位から劣化が始まってくる事もあります。劣化したCPLフィルターを使用すると、色かぶりが起こり、濁った色調の作品に仕上がってしまいますので、劣化が始まりましたら、買い替えをお勧め致します。
保管方法:なるべく高温・多湿とならない、一定の温度と湿度が保たれた暗い場所でフィルターケースに入れて保管して下さい。
特に車のダッシュボードなど高温になる場所に放置しますと偏光膜が破壊される恐れがありますので、十分に注意してください。
※劣化する年数はあくまでも目安です。
9)青空をより濃く鮮やかに写す方法
太陽の位置を意識してみましょう!
レンズの光軸に対して直角の方向に太陽がある時、最もCPLの効果が表れます。
下図の例では、親指を中心軸にして、人差し指が指し示す方向に最もCPLフィルターの効果が表れます。
※逆光時や曇天時・雨天時でも、多少の効果は表れます。
10)水面や植物の葉っぱの反射を取り除く方法
平面に対して30~40度の位置から撮影しましょう!
水面や葉の表面の反射を取り除く際には、平面に対して30~40度の位置から撮影すると一番効果が出ます。また、逆に反射光除去位置からフィルター枠を90°回転させると、反射を強調させることもできます。
11)広角レンズで青空を撮影した時に偏光ムラが出る場合
特に青空を多く入れた構図にして広角レンズで撮影すると偏光ムラが写ってしまう事があります。
広角レンズを使う全ての撮影シーンで偏光ムラが写ってしまうわけではありませんが、太陽の位置など、撮影する環境により偏光ムラが写ってしまう事があります。35㎜フルサイズ換算で、24mm以下の広角レンズで撮影すると偏光ムラが写りやすくなりますのでご注意下さい。偏光ムラが出てしまったら、撮影位置を変えて再びチャレンジしましょう。
偏光ムラ
PL効果出ているところと出ていないところが一緒に写る現象。(左側:PL効果が出ている・右側:PL効果が出ていない)